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2009年 10月31日
京阪・三条駅を降りて、縄手通りに入るともう木の香りがただよってきます。 わずか50メートルの距離にソワソワ、思わず小走り。 「たる源」さんは近々NHKさんが取材に入るとかで、片付け物をされていました。 目の前の大きな箱・・・以前からお話を伺っていた湯船、すごい存在感。 でも、これはちょっと撮影を遠慮。 特注だからね、頼んだ人だけの物! 「TVですか?」 「そう」 「わー、観ます!いつですか?」 「いや、教えへん」 ニカっと笑って内緒・・・でもNHKは再放送があるからな、フフフ。 「『さしがね(指矩)』って金の文字を使わへんのよ、取材の人がよう間違うとこ」 「あ、うっかりしてると指し金って書きそうですもん」 てな取材裏話を伺っておりました。 近頃、古道具屋さんで買ったものを、 遠慮からか自分が使っていたと言って修理に持ってくる人が何件かあったそうです。 品物の状態とかその時代に使用した材料の特徴が頭に入っているので、 すぐウソだと判るけれど、理由は関係ないから黙って直してるとのこと。 「別に、古道具屋で買おうが、修理に差はつけへんのにね」と、たる源さん。 むしろ、コピーを掴まされている可能性もあるので、逆に 「黙っておいてあげんと・・・」と気を遣うそうです。 焼印は一つなので違うものはすぐ判るけど、見比べるための本物持ってないとあかんもんね。 拭き漆の酒器を見せていただきました。 今更ながらの、「拭き漆」とは・・・ 黒や赤の漆は、鉄分や顔料を加えて着色しております。 本来、漆には色が無くてニスみたいな茶色の透明。 木目を生かしたものには着色していない拭き漆で仕上げるというわけです。 いま、ご自分で塗るのにハマっておられるようで、 お箸や色んな素材の製品に漆を塗って研究中だそうです。 「茶さじ作りにもハマってて、今で50本ほど作ってんけど、来年もっと作ろうと思て。 ちょっとしたカーブとか、竹の模様の出し方が、やりだしたら面白うてねー。」 と、沢山出して見せて頂きました。 一緒に行った Y先生も漆塗りをされるので、このあと専門的な話題に突入し、 かっぽれはボーっと眺めるばかり。 ■ ■ ■ ■ ■ さて、お客さんが見えたのでここで失礼。 Y先生とかっぽれは、良い物をたっぷり拝見してちょっと足取りがウキウキしております。 「お茶でも飲むか」 「そうですねー」 「どこにしようかなー?ほな、京極の『スタンド』!あそこやったら、絵を観ながら飲める(酒)」 京極の「スタンド」は京都で古~~~くからやっている酒場。 11時からお酒が飲める数少ない場所。 先生・・・まだ3時半ですが~。 大理石の長テーブルにレトロな窓、美術の教科書に載っている絵(本物!)が かかっているので有名。 若者や、観光で来たお客さんの中に、点々とええ味の爺さんが何人か。 ステッキとベレー、あるいはチロリアンハットに粋なジャケットと靴の一見して洒落者、 それぞれが一人で来てじっくりお酒を楽しんではる。 雰囲気を肴に結局、ビール→たる酒→たる酒と飲んで、フラッフラ~になって帰宅。 さすがに9時半に寝ましたわ。
by kapporeblog
| 2009-10-31 23:34
| たる源 一升樽特注記
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