2011年 5月20日
たる源さんより、「店に伝わる金魚桶を サイズ小さ目に作ってみたよ」とお聞きし、
さっそく拝見しにまいりました。
お店の前の飾り棚に「デーン」とすわっていましたが、どこか愛らしい金魚鑑賞用の桶です。
タイトルに「本流」と書いたのは、お弟子さんが独立して同じかっこうの物を作っているからです。
しかし、全国にソックリなものは有れど、元はたる源デザインであり製法。
見た目を寸分違わぬように作るというのも、それだけ「たる源製」が優れている証拠。
どこを変えたとしても、それ以上のものが作れないからにほかなりません。
また、細かい仕事をみればどこまで材料を吟味し、手をかけたかは明らか。
当代・たる源さんが今回手がけた「金魚桶」は、現代の住宅事情に合わせて小さ目を。
「純正」だからこその冒険、遊び。
レシピをそのまま作るのとは違う、頂点に位置する「たる源製」であればこそ。
先代の父上が作られた、大きいものも修理にきていました。
持って見えたのは購入された方とは違いますが、たる源さんは品物をみて
当時に買って行かれたいきさつなどを細かくお話しくださいました。
記憶力もさることながら、商品を売りっぱなしにせず後々まで修理の面倒をみることを考え
作っておられることにしみじみ感じ入りますね・・・。
先日出来立ての 「金魚桶」、まったりしたフォルム。
頬ずりしたくなるような木目の美しさは、写真ではわかりません。
今なら店頭に飾られていますので、是非本物をご覧あれ!
続けてあと数点は製作される予定だそうですが、「大きいのも作りたいしなぁ~」と。
たる源さんの頭の中では、たくさんのイメージが膨らんでおられるようです。
上の写真は昔から大切にとってある、取っ手の在庫品。
手曲げで作られていて、ちょっとづつ微妙に形が違い、味わいのある大切なもの。
今では職人さんがおられないそうで、この取っ手は何方のところへ嫁ぐのでしょうね・・・?
「たる源」
京都市東山区大和大路三条下ル
TEL:075-541-4512